誕生日前後になると憂鬱で、つらくてたまらない、という困った事態をどうやって解決したらいいでしょうか。
誕生日うつの原因
自分を否定し、後悔と敗北感にさいなまれるという思考が自動的にぐるぐるします。
このネガティブ思考は分解できるのですが、短時間にすべて発生します。
自分の過去の否定
自分の来し方を振り返り、激しく後悔し、自己嫌悪に陥ります。
自分がいかにダメ人間で、取り返しのつかない失敗ばかりしてきたかを振り返りまくります。
特に、直近の1年間を思い、自分にまったく成長がなく、体調不良とメンタル不調との戦いで終わってしまったという徒労感が激しいです。
まったく余裕がなかったので、別の生き方ができた気もしません。
自分の現状の否定
こんな状態でまた一つ年を重ねてしまったと思うと、不快です。
○才でこれか!他の人たちはもっと頑張っていて、大人で、充実した人生を送っているのに、と他人と比較して落ち込みます。
自分の将来への絶望
頑張っているのに体調は良くなりそうにないし、となると有意義なことは何もできなさそうだし、そうこうするうちに老化で自分の能力がますます低下していくばかり。
危機が起こっても対処する能力もなく、落ちていくだけ、もうそうなったら生きていたくない、と非常に悲観的な将来への見通ししか持つことができません。
自己否定思考の結論
このように自分の過去、現在、未来を激しく否定してしまうと、自分の存在そのものが無駄に思えてしまい、つらくて身の置き所もない、ということになってしまいます。
誕生日うつの解決方法
誕生日うつを解剖してみると、つまりは自己否定、自己嫌悪であることがわかります。
自己否定、自己嫌悪をやめる
といっても、どのようにしてやめればいいでしょうか?
他人に肯定してもらう?
肯定してくれる人がいるということは、とても恵まれていて幸せなことです。
感謝に値します。
しかし、私たちが他人を自然に肯定する時は、肯定に値する根拠を深く考えたりしませんよね。
一方、自己否定、自己嫌悪に陥っている人は、何度も何度もネガティブ思考を自動的に繰り返し、その根拠も多く、大きく、揺るぎないもののように思い込んでいます。
なので、素直に他人の肯定を受け止めることができません。
それに、自分の一部しか知らないから肯定してくれているだけであって、自分の全部を知られたら、到底誰にも肯定されるわけがない、と思っています。
また、家族、親族、友人、知人の全員が肯定してくれたらいいですが、そうもいかないので、肯定してくれた人以外の意向が気になります。
そして、肯定してくれた人の意見は少数意見とみなしてしまいます。
肯定してくれた人に対してほんと失礼ですよね。
そうなると、自分で自分を肯定するしかありません。
努力して自分で自分を肯定できるようにする?
中には、努力を重ねて、世間から肯定・称賛される生き方を実現する人たちもいます。
そして、世間から認められている自分を、自分でも肯定するのです。
私はこのタイプの人間になりたいのですが、まったくもって成功していません。
自分を許す
そうすると、ダメな自分を許して、自己嫌悪、自己否定にとらわれる度に許し続けるしかありません。
自己嫌悪、自己否定を原動力に、努力によって成功をつかみ取っていく人もいると思いますが、さすがにアラフォーになったら、自分がそれに該当するかしないか、はっきりしてますよね。
自己嫌悪、自己否定が害毒にしかならないのなら、捨てる必要があります。
今、「ゆるし」がほしいのです。(中略)ハッキリと「ゆるす」と言ってくれる権威あるものがほしいのです。
三浦綾子『氷点(下)』
「ゆるし」が誕生日うつの薬になります。