こんな出来事がありました。
- プロブロガーのヨスさんが、夫婦別姓を実践している人として、読売新聞に載った
- その新聞記事の最後に、憲法学者の反対意見がまとめみたいな感じで掲載されているらしい
- それに対して、ヨスさんが、ブログ上で2つの記事にわたって反論している
百地章氏が差別宣言を?! 夫婦別姓をやってない人の「妄想」と「でっちあげ」
http://yossense.com/yomiuri-article/【インタビュー】両親が夫婦別姓をしている方に家族の絆が弱いのか聞いてきた
http://yossense.com/parents-have-different-family-names/
11月13日の読売新聞朝刊を見てみました。
記事の最後の部分で夫婦別姓に反対している憲法学者、百地章氏のことが気になってぐぐってみると、保守派として確信的に選択的夫婦別姓制度に反対しているということがわかりました。
選択的夫婦別姓制度に反対する憲法学者、百地章氏の主張を見てみた
この方はバリバリの保守派論客で、保守的思想を網羅しています。
保守派の論客、百地章氏の主張
- 憲法改正
- 天皇を君主に
- 自衛隊を軍隊に
- 一人一票に不賛成
- 集団的自衛権は合憲
- 選択的夫婦別姓制度に反対
まだあるけど、ざっとこんな感じです。
産経新聞のサイトに、氏による中高生向きの憲法講座があったので、見てみた
民法750条は「夫婦同姓」を定めていますが、「夫又は妻の氏を称する」と述べ、機会の平等を保障しています。ですから学説の多数も違憲説は取っていません。
選択的夫婦別姓も「機会の平等を保障しています」よね。ということは、上の理屈でいうと、違憲ではないのでは?
善き意味の家族制度は否定されないというのが、憲法制定当時の政府見解だった
ふ~ん。で、「善き意味」って何ですか?
あ、「伝統的な」っていう意味でしょうね。
夫婦同姓制は、一方で「個人の尊厳」や「両性の平等」を尊重しつつ、他方で「家族を保護」しようとした憲法の精神にふさわしいもの
で、選択的夫婦別姓が「家族を保護」しようとした憲法の精神にふさわしくないもの、っていう根拠は?
国が「家族」を保護すべきことは、世界人権宣言や国際人権規約も認めています。
そうですか。で、それが選択的夫婦別姓とどういう関係があるか、教えてください。
個人を絶対視する風潮がますます進み、児童虐待事件の頻発に見られるように、家族の絆が失われてきている今日、敢えて夫婦別姓制を採用することは、国による「家族保護」の義務に逆行し、憲法の精神に悖(もと)るのではないでしょうか。
なるほど!夫婦別姓にすると「家族の絆」が失われる、という理屈なんですね!
この産経新聞のコラムでは、伝家の宝刀「子どものため」という、親の罪悪感を激しく刺激するフレーズは出てきていません。
ヨスさんが載っている読売新聞のコーナーでは、「子どもがかわいそう」というのが選択的夫婦別姓制度に反対する論拠となっています。
百地章氏の主張まとめ
選択的夫婦別姓制度を認めると、
- 家族の絆が失われる
- 子供がかわいそう
で、実際のところどうなのかは、実践している人たちに聞くしかないですね。
現実に夫婦別姓を実施している人たちの証言をみてみた
ヨスさんが記事にしています。
百地章氏が差別宣言を?! 夫婦別姓をやってない人の「妄想」と「でっちあげ」
http://yossense.com/yomiuri-article/【インタビュー】両親が夫婦別姓をしている方に家族の絆が弱いのか聞いてきた
http://yossense.com/parents-have-different-family-names/
全然大丈夫そうです。
家族を大事にしてそうだし、子どもたちも違和感なさそうだし、いじめられてなさそうです。
それに、児童虐待のニュースはよく報道されていますが、夫婦別姓を実行していた、という話は一度も聞いたことありません。
「みんなと違うこと」、「前例にないこと」をする人を排斥するの、いい加減にやめようよ。
仮に、子どもが違和感を持ったり、いじめられたとしても、「みんなと違うことはいけないことだ」というその価値観こそが人を不幸にするんじゃないですか?
これはものすごく強調したいところです。
ぶっちゃけ、夫婦別姓にはあまり興味がありませんでした。
でも、百地章氏の主張に
「みんなと違うことはいけないことだ」
「前例にないこと、伝統と違うことはいけないことだ」
というニュアンスを強く感じて、声を上げたくなりました。
大多数と違う価値観、主流の伝統と違う価値観を持った人を排斥する社会は、恐ろしいです。
伝統はすべて、人を大切にしてきたのか?
例えば、伝統的な「家」は、「嫁」をどのように扱ってきたのでしょうか。
個人的に、伝統的な家族制度の呪いを強く感じてきたので、選択的夫婦別姓制度が、その呪いを打ち破る一つのきっかけになってほしいと思っています。
主にこちらを参考にさせていただきました↓
ウィキペディア「百地章」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E5%9C%B0%E7%AB%A0
産経新聞社【中高生のための国民の憲法講座】
第86講 「夫婦別姓」認めなければ違憲? 別姓制にはさまざまな問題