フィンランドのニュースサイトYle Newsを見ていると、興味深い記事を発見。
フィンランドがベーシックインカムを導入するとかしないとか日本でも報道されていましたが、「社会保障が持続不可能」って。
日本みたいなこと言ってるけど、大丈夫なのか?
気になったので、まとめてみました。
ベーシックインカムで話題のフィンランド。社会保障費が足りない?!
フィンランドの社会保障制度(Kela)を管轄する省庁の長官が、
「フィンランドの寛大な社会保障制度は持続不可能になってきてますよ」
って言った、という話です。
大臣が
「特に住宅手当が莫大なので、財源の半分を地方自治体が負担するように頑張って変わるべき」
と言ったところ、
地方自治体は
「絶対無理!地方税を増税するしかなくなるし、行政サービスを削減しなければならなくなる。そうすると、社会的弱者がしわ寄せをこうむるじゃないか。」
と即答した、とのこと。
ちなみに、”Kela Annual Report 2011″によると、地方自治体の出資比率は5%です。69%国費、13%保険金、12%被用者負担金。
財源が足りない。日本と同じ理由ですね。
日本と違うところは、社会保障がもっと幅広く手厚いという点です。
フィンランドの社会保障制度。複雑な手当をベーシックインカムに一本化?
- 年金
- 家族手当
- 健康保険
- リハビリテーション手当
- 失業手当
- 住宅手当
- 学生手当
- 障害手当
- 徴兵手当
Kelaの守備範囲はこれほどまでに及ぶそうです。
Kelaは、第二次世界大戦中に始まって80年代から90年代にかけて拡大してきた。
古くて複雑で、機能していない。
もっと良い代替システムとして、ベーシックインカムが浮上してきたとのこと。
ベーシックインカム(Basic Income) とは、年齢、性別、所得水準などに関係なく、すべての国民や市民に一律の金額を恒久的に支給する基本生活保障制度のことです。
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/he/J0910.htmlより引用
6,7種類の手当をベーシックインカム一本でカバーできるそうです。
期間限定の手当よりも、パーマネントなベーシックインカムの方がいいじゃん、みたいな。
フィンランドで急増しているのは、住宅手当、高齢者介護手当、通院交通手当
医療費は昨年5.5%の伸び、住宅手当は基準が改正されたために20%の伸び。
住宅手当は医療費を超えています。
日本では考えられないですね!
フィンランドの住宅手当
というか、フィンランドでは国が住宅手当を支給してたんだ!
資格を満たせば賃料の60%の住宅手当がもらえます。
受給者は80万人(人口は約549万人、つまり7人弱に1人)におよび、増加中です。
Kelaのウェブサイト(英語版あり)
http://www.kela.fi/
まとめ
社会保障制度は日本でも複雑でややこしいけど、フィンランドは項目が多い分、さらにややこしそうですね!
なんであんなに高福祉が実現できるのかと思ってたら、財源がやっぱり不足してきてるんですね・・・。
10年ぐらい前にフィンランドに行ったとき、フィンランド人に話を聞くと、社会保障が手厚いから貯金しなくていいし、老後の心配もしなくていいと言って、身軽で幸せそうでした。
ずいぶんうらやましく思ったものです。
フィンランドの社会保障改革がうまくいくといいですね。
ベーシックインカムはどうなるでしょうか。良い見本になってほしいです。
*記事が英語で、私の英語力が完璧でないため、正確性は保証できません。
直接確認はこちらからお願いします。 ↓
Kela director: Finland’s system of social benefits is unsustainable