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恩田陸のおすすめ小説11選、好みじゃない小説5作

恩田陸『蜜蜂と遠雷』2017年の直木賞・本屋大賞をW受賞しましたね。

蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)”]

蜜蜂と遠雷(下) (幻冬舎文庫)”]

恩田陸は以前ハマって読み漁ったので、まずはその中からおもしろかった作品を11点紹介します。

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恩田陸のおすすめ小説11作品

常野物語シリーズ

『光の帝国ー常野物語』

光の帝国 常野物語 (集英社文庫)”]

最初に読んだ恩田陸の小説です。この本がきっかけで、他にも恩田陸の小説を読んでみようと思いました。

ファンタジー小説なのですが、竜とか妖精とかが出てくるような大冒険譚とは違う趣で、不思議なおもしろさがありました。

切ないけれど、心温まります。

学園もの(高校生)

『六番目の小夜子』

六番目の小夜子(新潮文庫)”]

恩田陸のデビュー作です。にもかかわらず、すごくうまい。
講堂でのシーンがまったくもってすばらしいです。
こういう風に恐怖をかきたてることができるんだ!という新鮮な驚きがあります。

高校が舞台です。

『夜のピクニック』

夜のピクニック(新潮文庫)”]

文句なしにおすすめです!
恩田陸の小説の中からおすすめをどれか一つ選んで、と言われたらこれにします。

高校生が大人!さわやか!
作者自身、さわやかな読後感を目指したとか。

主人公は4人の高校生で、学校行事が舞台です。

『ネバーランド』

ネバーランド (集英社文庫)”]

男子高校生4人。冬休みの寮。
そのうち1人の被虐待ネタが重すぎて娯楽気分が損なわれました。
それを除けば、恩田陸らしいおもしろさが楽しめます。

北の湿原の孤島にある全寮制の特殊な学園シリーズ( 「理瀬」シリーズ )

『麦の海に沈む果実』『三月は深き紅の淵を』『黄昏の百合の骨』

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)”]

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)”]

黄昏の百合の骨 (講談社文庫)”]

どれも設定が微妙に異なるので、厳密にはシリーズものではないのですが、私の頭の中ではひとまとめにカテゴライズされています。

学園がゴシックホラー的というか、怪しさ満載のいかにもな感じの舞台設定にワクワクさせられます。

上記の学園ものとはまったく違う、作られた雰囲気です。

探検もの

『上と外』

上と外(上) (幻冬舎文庫)”]

上と外(下) (幻冬舎文庫)”]

兄弟がG国(グアテマラでしょ)のジャングルでサバイバルする話。
グアテマラのジャングルに隠れた怪しいマヤ遺跡という舞台装置が私好み(笑)

家族の描写が興味惹かれる感じです。別にいいけど、兄弟が大人すぎます。

ただし、エンディングが残念。
怪しいマヤ遺跡では楽しめる奇想天外さも、東京ではただの違和感になってしまいます。

『禁じられた楽園』

禁じられた楽園〈新装版〉 (徳間文庫)”]

楽園テーマパークの描写がおもしろくて怖くて気持ち悪いです。
グロいのが難点。ちょっと気持ち悪い描写があります・・・。

探検ものという点では、『上と外』に通じるものがあります。

演劇的な作品

『消滅』

消滅 VANISHING POINT (上) (幻冬舎文庫)”]

消滅 VANISHING POINT (下) (幻冬舎文庫)”]

閉じられた部屋での群像劇。恩田陸の小説の中でも、「三一致の法則」を一番強く連想させます。

でも、種明かしをされてガッカリ・・・。

直木賞・本屋大賞W受賞作

『蜜蜂と遠雷』

蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)

蜜蜂と遠雷(下) (幻冬舎文庫)

読後感さわやかな、感動の大作でした。詳しくはこちらをご覧ください。↓

恩田陸の直木賞・本屋大賞W受賞作『蜜蜂と遠雷』感想

あまり楽しめなかった本

読んでみたけど私の好みではなかった作品を挙げてみました。

演劇がテーマの作品

『チョコレートコスモス』

チョコレートコスモス (角川文庫)

ひたすら演劇がテーマ。
演劇が好きな人にはおもしろいでしょうけど、興味ない人はいまいち心惹かれないと思います。

『中庭の出来事』

中庭の出来事 (新潮文庫)

演劇がテーマ。

これもストーリーがスムーズに流れず、何がどうなってるのかよくわかりませんでした。

演劇が好きな人、実験的な小説が好きな人にはよいかもしれません。

実験的な作品

『夏の名残りの薔薇』

夏の名残りの薔薇 (文春文庫)

夏の終わりに、タイトルを見たら同名の曲が頭の中に流れたので、読んでみました。

設定が気持ち悪かった。

ストーリーが章ごとに何通りも異なっていて、話がスムーズに流れないので、入り込めなくて楽しめませんでした。

そういう実験的な手法についていけて楽しめる人にはよいかもしれません。

『ブラザーサン シスタームーン』

ブラザー・サン シスター・ムーン (河出文庫)

高校時代の友人3人組の大学時代を、小説家になった女性が回想するというもの。
女性1人、男性2人の3人組です。

小説家になる人は、たとえ禁じられても文章を書いてしまう、という箇所は興味深かったけれども、ストーリーにドラマがあるわけでもなく、盛り上がりに欠けました。

小説だけど、エッセイ的でした。

村上春樹と比較してしまった作品

『黒と茶の幻想』

黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)

村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』と比べてしまう内容で、村上春樹の方がおもしろかったです。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

登場人物それぞれの描き方について、村上春樹の方が深みがあっていろいろと思わせてくれました。

そっちを読んでいなければおもしろいと思えたはずです。

4人の登場人物が頭の中で考えていることの描写が多くて、全員が作者の恩田陸であるかのように思われてしまいました。

でも、屋久島を歩く描写は『夜のピクニック』みたいに臨場感があってすばらしかったです。

過ぎた過去のトラウマよりも現在進行形の苦難の方が大変だということを思わされました。

まとめ

恩田陸は時間のない読者が楽しめる作品を意識的に書いているというだけあって、おもしろい小説が多いので、おすすめです。

また、恩田陸は多作で、いろいろな系統の作品があります。

直球でベストセラーや賞を狙ってきたな、という小説もあれば、実験的で、こんなことやってみました、みたいな小説もあって、おもしろいです。