私と同年代の友人知人の既婚者には全員子どもがいます。
幼い子どもたちがいて、まさに子育て真っ最中!
私とは別世界の生活を送っている模様です。
一方、独身の友人知人は、キャリアがもう15年ぐらいになっており、社会人として堂に入ったものです。
もちろん、既婚子ありの人たちでずっと正社員やってる人たちも少なくありません。
こちらも別世界の住人です。
そんな私の人生がタイトルになった本『子の無い人生』を発見したので、読んでみました!
『負け犬の遠吠え』の著者、酒井順子が『子の無い人生』を考察
著者の酒井順子さんは、かつて世間の話題をさらった『負け犬の遠吠え』を書いた人です。
広告代理店に勤めた後は執筆業、というエリートのバリキャリで、未婚、子なしとのこと。
最近、しみじみと「子供がいなくて、よかった」と思うのです。
というスタンス。
なので、余裕ある立場から書かれた軽いエッセイで、さらっと読めます。
『子の無い人生』のざっくりした内容
『負け犬の遠吠え』では、
「未婚、子ナシ、三十代」の人を、負け犬と定義
した。
しかし40代になって、既婚子なしの人たちは、既婚子ありの人たちよりも未婚子なしの人たちに親近感を覚えるらしいということがわかった。
既婚子なしの人たちは、「負け犬」感を抱いているようだ。
そこで、
子がいないという人生を、どう捉えればいいのか、そしてどう過ごせばいいのか。
考えてみた。
というような内容です。
雑誌連載を加筆修正したもので、1章1テーマ、「はじめに」と「おわりに」を除いて22章あります。
最初の章「年賀状」の内容
全部の章の内容について語ると長くなるので、とりあえず最初の章だけご紹介。
あるホームパーティーで、子持ち主婦が、子供の写真ありの年賀状となしの年賀状の2通り作っている、という話を酒井順子さんの隣のグループでしており、イラついたそうです。
「私は子供がいない人のことを哀れんでいる」というトークを子ナシ族のすぐ隣でするのはどうなのか
その手の気持ちは、完全にクローズドな場所においてのみ解放するのが、大人の礼儀というものでしょう。
思いやり不足
しかし、
子を持つ親は誰しも、自分の子供は特別に可愛いと思っています。
その
ことを世に知らしめるために、子供の写真入り年賀状は必要なのではないか、と思うのです。
見る者に「ちょっとイラつくけど……、子供もいいかもね」と思わせれば、(中略)少子化対策の一助となるのではないか
『子の無い人生』に対して思ったこと
まず、酒井順子さんと私の立場があまりにも違いすぎて、共感はあまりなくて、「子どもがいないことに満足しているエリートはこんな風に思っているのか」と新鮮で興味深かったです。
自立していて成功している女性はまぶしいです。
「同じ子なしだよ!」と言えないほど遠い存在です。
全編を通して、「子ありは子なしに子どもがいる幸せをアピールすれば少子化対策になるのではないか」という論調だったのですが、そ、そうなのかな?と違和感を覚えました。
それに、例えばホームパーティーで子どもの写真ありとなしの2通りの年賀状を作っている主婦は、子なしを下に見てるわけじゃなくて、自分にまだ子どもがいなかった時に、子どもの写真入り年賀状を見て傷ついたことがあったんじゃないかと思いました。
「もし自分に子どもがいなかったら、子どもの写真入り年賀状は見たくない」と思ってるんではないかと。
そういう小さな違和感を、「年賀状」の章だけでなくそこここで感じました。
そういえば『負け犬の遠吠え』現象にも違和感が
そもそも、『負け犬の遠吠え』がメディアで取り上げられている時も違和感を感じていたということを思い出しました。
共感しているといって出てくる女性がみんな経済的に余裕のある正社員な感じで。
「負け犬」とか言いながら勝ってるやん、みたいな感じ。
その頃私は、独身・非正規・任期あり・ワーキングプアだったもので・・・。
興味をひかれたところ
沖縄の伝統では、独身女性は実家のお墓に入れないそうです。
今は必ずしもそういうわけではないそうですが。
沖縄の
位牌は、一族がまとまって祀られる集合住宅タイプ。そこには独身のまま亡くなった女性は入ることができず、特例として一人用の位牌が作られます。
その位牌は縁起の悪いもの、一族に良くないことを起こすものとされている
また、酒井順子さんが支援している子どもが住むラオスのある小さい村で、結婚できない女性はいないのか聞いてみたら、「いない」と言われたそうです。
それだと、意に沿わない人と結婚している人もいるんじゃないかと勘ぐってしまいました。
いや、結婚に関する考え方が全然違うから、みんなそういうものだと思って納得してるのかな??
まとめ
子なしもいろいろ、子ありもいろいろで、境遇がそれぞれ違って一概には語れないなあという印象です。
子なしで酒井順子さんと同じような立場の人ってどれくらいいるんだろう?と疑問に思いました。
昨今は、子どものあるなしよりも、社会経済的な立場の違いの方が、より人と人の間を分断しているように思います。
そもそも昔から「階級社会」っていうのは子どものあるなしによるものではないし、「格差社会」も子どもの有無の問題ではありませんしね。
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